一般社団法人 放送サービス高度化推進協会(A-PAB)は、7月19日火曜日に「夏だ!テレビだ!衛星放送だ!」A-PAB記者発表会を千代田放送会館で開きました。
新型コロナウイルスの感染再拡大が続いていることから、原則プレス関係者(約50名参加)に限り、感染対策をしっかり行った上で開催いたしました。
記者発表会では、NHKとBS民放5社による「新4K8K衛星放送で見ようよ!真夏のリレー1週間」の共同制作番組が初お披露目され、ナビゲーターの春風亭昇太師匠が登壇し、各局の4K8K番組の魅力をアピールしました。
このあと、今年3月に開局したばかりのBS松竹東急、ジャパネットブロードキャスティング、BSよしもとの3社の代表による看板番組のプレゼンテーションが行われました。
まず、主催者を代表してA-PABの相子宏之理事長が次のように挨拶しました。
A-PABの相子宏之理事長挨拶
本日はお忙しい中、記者発表会にご参加いただき誠にありがとうございます。2019年末から始まった新型コロナウイルス感染拡大ですが、2年半を経過してもなお予断を許さない状況が続いています。その間、多くの方々が様々な制約を受け、ライフスタイルも様変わりし、働き方も大きく変化しています。テレワークの拡大やオンライン会議の活用など、コロナ禍で社会全般のデジタル化が一層加速し、メディアと視聴者・ユーザーとの関係も、大きく変化してきました。様々な動画配信サービスが拡大し、多様なインターネットサービスが普及する中、放送の世界におきましても、改めて放送メディアの価値向上ということが叫ばれています。
地上波では、TVerにおける見逃し配信に加えて同時配信もスタートし、コンテンツ活用においても、SNS等との連携や海外も視野に入れた様々な取り組みも行われています。衛星放送においても、同様の取り組みは行われていますが、加えて新4K8K衛星放送によるさらなる高画質化や新たなBS放送サービスの誕生も、こうした放送メディアの価値向上に寄与するものと考えます。
本日はNHKとBS民放5社による、「新4K8K衛星放送で見ようよ!」キャンペーン第4弾の取組みの一環としまして、「真夏のリレー1週間」をご紹介いただく予定ですが、前回に引き続き、ナビゲーターをお務めいただく春風亭昇太師匠にもお越しいただいています。また3月に放送を開始したBS松竹東急の橋本社長、ジャパネットブロードキャスティングの渡邊様、BSよしもとの稲垣社長にもお越しいただき、それぞれプレゼンテーションをしていただく予定です。是非メディアの皆様のお力添えをいただき、こうしたコンテンツ・サービスの楽しさ、面白さを視聴者の皆様にお伝えいただけると幸いです。
最後にA-PABの体制についてですが、6月末の定時総会におきまして、長年皆様にお世話になりました木村理事が退任をいたしまして、新たに安田理事が就任しております。新体制の方もどうぞよろしくお願いいたします。
NHKとBS民放5社による共同キャンペーン「新4K8K衛星放送で見ようよ!真夏のリレー1週間」の説明
続いて、NHK並びにBS民放5社の共同キャンペーン「新4K8K衛星放送で見ようよ!真夏のリレー1週間」の説明が行われ、ナビゲーターの春風亭昇太師匠が登壇し、意気込みを語りました。
おととし12月、昨年6月と12月に続き、今回で4回目となるNHKとBS民放5社による「新4K8K衛星放送で見ようよ!」キャンペーンですが、今回は、前回に引き続き月間の企画に加えて、7月25日から31日までの1週間を「真夏のリレー1週間」と題し、各局が珠玉の番組を編成し、リレー方式で放送します。
この局をまたぐ画期的な取り組みのナビゲータ-として、前回に引き続き春風亭昇太師匠が起用されました。(昇太師匠は、各局で放送される共通番組のナビゲーターのほか、真夏のリレー1週間の各番組のオープニングとエンディングに出演、NHKBS4K、BS8KとBS民放5局の合わせて7局マタギの出演となります。)
会場では、「真夏のリレー1週間」に先駆けて、新4K8K衛星放送のすばらしさや各局の番組の見どころをまとめた15分の共同制作番組が初公開され、昇太師匠も客席から観賞しました。
上映後、昇太師匠自ら、各局の番組プロデューサーや番組宣伝担当者から寄せられたみどころやエピソードなどを笑いを交えて、放送順に紹介していただきました。
このあと、BS編成担当者会議主査でビーエスフジ常務取締役の荒井昭博氏も登壇し昇太師匠と二人で質疑応答に応じました。
メディアからは、昨年末の「年末リレー1週間」に続いて昇太師匠をナビゲーターに起用した理由について聞かれ、荒井主査が「NHKから民放各局まで、どの局にご出演されてもどなたにも受け入れられる。また、本当に趣味が多彩で博学。ナビゲーターとして最高の人です。」と説明、昇太師匠が照れる場面も。
次の質問では、前回の記者発表会の後、実際に4K放送が見られるテレビに買い替えた昇太師匠に対し「4Kテレビを購入しての感想や実際に見ている番組など」の質問が寄せられました。昇太師匠は「テレビを変えた瞬間に映像に奥行きが加わった。全然違う。お城の番組やスポーツ番組を見ている。特に僕は静岡出身なので、清水エスパルスの試合などを見ていますね。」と答えました。
最後に、「4K8Kとかけて何ととく」と荒井主査が前回に続いてなぞかけを無茶ぶり。
昇太師匠は、「夏休みにどこにも連れて行ってもらえなかった子供の夏休みの絵日記ととく。」「その心は、行っていないけど行った気持ちになれます。」と答え、会場から大きな拍手が沸き起こりました。
次のコーナーでは、今年3月に開局した3社の代表によるプレゼンテーションが行われました。
BS新規開局3社によるプレゼンテーション
まず、BS松竹東急(株) 橋本元 代表取締役社長が以下のように述べました。
BS松竹東急は、伝統の継承と新しいものへの挑戦ということで開局した。この夏は「おうちで毎日劇場気分」ということで、映画、舞台、オリジナルドラマなどのエンターテインメントを熱くお送りしていきたいと考えている。
【劇場気分 その1】は「映画」。「よる8銀座シネマ」と題した枠と「日曜ゴールデンシアター」という枠とで、開局時の「幸福の黄色いハンカチ」から始まり、昨日まで100本以上の映画を届けてきた。この夏は、8月、終戦記念日ということで市川崑監督の「ビルマの竪琴」、木下惠介監督の「陸軍」「二十四の瞳」を特集として、また、松竹と言えば山田洋次監督。「学校」シリーズの一挙4夜連続放送など、見ごたえのある映画を放送する。
【劇場気分 その2】は「舞台」。「土曜ゴールデンシアター」で歌舞伎を始めとして見どころある舞台を放送しているが、この夏は、歌舞伎俳優の中村獅童とバーチャルシンガーの初音ミクが出演した「超歌舞伎」をノーカットで初放送する。また、「新しいものへの挑戦」を「舞台」でと考えており、「週末未来シアター」の枠では、挑戦枠の新しい劇団の作品も放送している。
【劇場気分 その3】は「オリジナルドラマ」。開局以来、週に2本、オリジナルドラマを放送しているが、この7月から「シネコンへ行こう!」「悪女のすべて」を放送している。
そして夏のスペシャル編成として、「劇場気分でスポーツシアター」ということで、私どもとしては初のライブでスポーツを放送する。3年ぶりに開催される「鈴鹿8耐」とプロ野球のオリックス・バファローズ戦2試合を生中継で放送し夏を盛り上げる。
無料放送のBS松竹東急では、今、ご紹介した作品以外も多くの見どころ作品を取り揃えている。
(番宣VTR上映)
毎日おうちで劇場気分。このような時だからこそ、家でゆっくりいろいろな作品を楽しんでもらいたいと思っている。
次に、(株)ジャパネットブロードキャスティング 渡邊伶生番組制作一部シニアリ-ダー は 以下のように説明しました。
それでは我々が4カ月間放送してきた内容とこれからこんなことをしていきますということをVTRで紹介させていただく。
(番宣VTR上映)
BSJapanextは「繋がる」ということが特徴。アプリは、ジャパネット通販のアプリと同じで、現在50万人のダウンロード会員様がいるので、ワンタップでいつでも通販のページにもいけるし、局の見逃し配信とかリアルタイムの配信が見られる仕組みになっている。
映像にもあったが、ハロー!プロジェクトのアイドルグループのデビューでは、30分の番組で3,500件くらいのコメントがあった。1分間で約100件というファンの方々から「もっとこうした方が良いよ」とか、「デビューおめでとう」等、暖かいコメントをいただいた。そのコメントをツイッターと連携しながら、いわゆる「バズる」施策を考え、お客様からいただいた番組の評価を軸に番組を続けるかどうかというところまで検討していきたい。
今後については、天皇杯(サッカー)の中継や、モンダミンカップ(ゴルフ)の中継など、BSを見ている方々が非常にスポーツと親和性が高いということが分かったので、ジャパネットグループで持っているV・ファーレン長崎というサッカーチーム(現在J2)が、J1に上がった暁には、放送できるかもしれないし、天皇杯などを放送していくことにも広がっていくと思う。そして長崎ヴェルカというバスケットチームが弊社グループにあるので、その試合の中継をしたり、ゴルフについても同様に放映が無いコンテンツを買い付けて放送していきたいと考えている。
ただ放送するだけではなく、先ほどから申し上げている通り、繋がるとか、お客様との双方向性を意識していきたい。まだまだ課題はあるが、しっかりと全員で頑張っていきたいと考えているので、ご期待ください。
最後に、BSよしもと(株)稲垣豊 代表取締役社長が以下のように説明しました。
BSよしもとは、地域創生をコンセプトとした放送局。「住みます芸人」から地域の情報を発信する「チーキーズ a GoGo!」を平日の昼4時間の生放送でお届けしている。それから、身近な話題をニュースとしてお送りする「ワシんとこ・ポスト」も夜にベルトで2時間生放送でお届けしている。
また、よしもとが保有している「名人劇場」や「新喜劇」のアーカイブ映像などのオリジナル番組を組合わせて、できるだけ幅広い層に訴求する放送局を目指している。
また、スポーツ中継についても積極的に取り組んでいるが、プロ野球については、開幕戦をはじめとして、地域色のでる実況中継ができるように対戦チームの地元出身のタレントを起用している。
ゴルフ中継については、今後取り組んでいくにあたって、開催地の地元の情報などを織り交ぜながら番組を制作するということにもチャレンジしていく。
BSよしもとは今までもこれからも、地域の話題と笑いを全国に届けるということをコンセプトに、今後ともできるだけ多くの方に見られることを目指していくのでよろしくお願いしたい。
A-PAB事務局より2022年度の施策について説明
続いて、A-PAB広報・企画部南里憲孝統括部長より「新4K8K衛星放送の魅力の調査研究」および「動画を活用した普及推進」について説明を行いました。
A-PABでは、放送サービスの高度化に資するさまざまな取組みを行っていることを説明したあと、「新4K8K衛星放送の魅力」の調査研究について紹介した。新4K8K衛星放送を実際にご覧になったかたから評価、ご感想をいただくアンケート調査を6月末から実施していること、抽選で、10名の方に3万円相当、200名の方に千円相当のデジタルギフト券をプレゼントすること、締切が8月5日となっているので、是非本日ご来場のメディアの皆様に記事でご掲載いただきたいことなどを「新4K8K衛星放送番組ガイド」最新号の表紙を使用しながら説明。また、アンケート結果の分析・考察などは後日プレスリリース等で公表予定となっており、A-PABでは新4K8K衛星放送の魅力が視聴者にどのような影響を与えるかなどを、このアンケートにより掘り下げて調査していきたいと語った。
続いて、動画を活用した普及推進についての紹介では、これまで新4K8K衛星放送の視聴方法をわかりやすく説明した動画を制作し公式YouTubeで公開してきたこと、その映像データを全国家電販売店様に配布し店頭でもご活用いただいてきたことを紹介。さらに今年は特に若者をターゲットに「衛星放送」の広報動画を15秒版・150版の2バージョン制作したことを報告。衛星放送を一緒に見ることを通じて得ることが出来る共感や絆。そんなストーリーを描いた女子高生3人によるショートムービー「青春はいつだって、高画質 衛星放送。」を紹介し、150秒のロングバージョンを上映した。
衛星放送の魅力をZ世代にも届けたいということで、キャスティングでも10代の現役女子高生タレントを抜擢したこと、A-PABの会員各社様にも周知広報のご協力をいただいており、特に15秒バージョンについては、複数の放送局で放送していただいたことを報告。今後も、2K4K8K含めた衛星放送全体の魅力を幅広い世代に訴求するために、様々な施策に取り組んでいくと意気込みを語った。
次に、A-PAB受信環境推進部 伊東良展部長より、全局受信に向けた取り組みと電波漏洩対策について報告しました。
まず、衛星放送の「右旋」は従来の受信設備で対応済みであり、「左旋」はここ3~4年の建築物件で対応済み、且つWi-Fiや電子レンジと同じ周波数帯を利用していることを説明。
また4K8K対応アンテナを設置して以降、受信設備にシールド性の悪い機器を使用すると電波漏洩が発生し、Wi-Fiや電子レンジの電波と干渉することで、新4K8K衛星放送の一部のチャンネルが映らなくなることを説明した。
2018年度には総務省の省令である無線設備規則において漏洩電波の強度に関する規定が設けられ、A-PABでは衛星放送用受信環境整備事業を運営し、全国12.8万世帯の電波漏洩対策と左旋改修を支援してきた。ただし補助事業は昨年度で終了したため、今年度は左旋普及の最も大きな課題である既設の集合住宅をメインターゲットに動画プロモーションを展開し、主にアンテナ設備の老朽更新工事を控えているマンション管理組合や管理会社等にご視聴いただくことで、より多くの方々に4K8Kの全てのチャンネルを受信できる環境を整えていきたいと報告した。
以上で、「夏だ!テレビだ!衛星放送だ!」A-PAB記者発表会を終了しました。