6月26日午後2時より「一般社団法人 放送サービス高度化推進協会(A-PAB)第4回総会」が明治記念館(港区元赤坂)で開催されました。
会員の出席状況は、議決権を有する正会員265団体のうち106団体が出席、議長委任が59団体、書面による表決参加が63団体で、合計228団体の参加となりました。
審議に先立って福田俊男理事長が挨拶に立ち、次のように述べました。
「ご多忙の中、参加いただきましてありがとうございます。2点ご報告申し上げます。
6月3日の電波の日の中央式典において、当協会が新4K8K衛星放送の円滑なスタートに貢献したということで、他の7団体と一緒に総務大臣表彰を受けました。これは円滑にスタートしたことが対象であって、その後の状況は半年経って受信可能機器の台数が100万を超えたところであり、依然として低空飛行が続いているという状況だと思います。しかし、2000年のBSデジタル放送、2003年の地上デジタル放送開始の時と比べて決して悪い状況ではないと思っています。
ただ一つ大きな条件が違うのは、スタートからおよそ1年半後の来年7月に東京オリンピック・パラリンピックという一大イベントが控えていることです。したがって、この機会に飛躍的に受信機の台数を伸ばして欲しいというのが皆さんの願望だと思いますが、2015年のロードマップによりますと「無理な普及はせずに円滑に進める」というのが基本的な考えになっています。スタートから半年経った6月に入り受信機の選択肢も大幅に増えました。またオリンピック・パラリンピックは新しいテレビで見たいという願望は強いと伺っておりますので、先程申し上げたように「着実に、地道に、そしてゆっくりと言いながらも早く」ということをモットーに我々も努力をしていきたいと思っています。
もうひとつ、昨日のことですが、新しい放送の開始に伴いBS右旋の再編業務に取り組んだことが評価されて、ARIB電波産業会の電波功績賞の総務大臣表彰を受けました。以上は新4K8K衛星放送についてであります。
2点目は地上放送サービスの高度化についてです。3月に総務省から試験事務を当協会が受託し、ようやく色々な活動が始まりました。5月の東京に続いて7月には名古屋で事業がスタートします。年度内には福岡などでも試験を進めていくことになっていますのでご承知頂ければと思います。これについては特に放送局の皆さんを含めて関心が高いといと伺っておりますので、総会終了後に当協会の方から、今どうなっているのか、今後どんな形でやるのかといったことをご説明申し上げることにしています。」
続いて、議長に株式会社テレビ東京の小笠原俊秀氏が選出され、議事録署名人には日本放送協会の阿部浩二氏、三菱電機株式会社の西田正実氏がそれぞれ指名されて議事に入りました。
審議事項として、第1号議案「役員の選任について」を土屋円専務理事が説明しました。
今回退任される理事の方々は以下の通りです。
受川裕理事(日本電気株式会社)、小津信一郎理事(中京テレビ放送株式会社)、喜多村和洋理事(シャープ株式会社)、坂本良夫理事(日本放送協会)、島田啓一郎理事(ソニー株式会社)、高田真治理事(スカパーJSAT株式会社)、千原義理事(朝日放送テレビ株式会社)、中山良夫理事(株式会社BS日本)及び森内譲理事(ワールド・ハイビジョン・チャンネル株式会社)。
以上9人の理事の辞任に伴い後任の理事として、相子宏之氏(株式会社BS‐TBS)、荒木裕志氏(日本放送協会)、大鹿紳氏(中京テレビ放送株式会社)、白石一彦氏(日本電気株式会社)、角南源五氏(株式会社ビーエス朝日)、福岡徹氏(スカパーJSAT株式会社)、松本義典氏(ソニー株式会社)、宗俊昭氏(シャープ株式会社)、山形浩一氏(朝日放送テレビ株式会社)を選出するとする第1号議案は、審議の結果異議なしと認められ原案通り承認されました。
続いて、報告事項1「2018年度事業報告よび決算報告について」に移り、事業報告については土屋専務理事、石田昭彦常務理事、木村政孝理事が以下の様にそれぞれの担当分野を報告しました。
土屋専務理事
「はじめに」と「放送サービスの高度化にかかわる技術仕様の実用化に向けた実証および所要の期間の試行的な放送等」のうち【BSによる4K•8K試験放送の実施】【東経110度CS左旋による4K試験放送の実施】、「放送サービスの高度化/地上・衛星デジタル放送にかかわる開発、普及、利用促進、周知広報」のうち【新4K8K衛星放送の受信環境整備の推進】、「4K•8K等の技術基盤を用いた、新たな産業・文化の創成への貢献にかかわる業務」、「会員の状況及協会の運営」
石田常務理事
「放送サービスの高度化/地上・衛星デジタル放送にかかわる開発、普及、利用促進、周知広報」のうち【放送サービスの高度化の理解および普及促進を目的とした情報の発信】【地上・衛星の2K放送サービスへの対応】、「新たな放送技術を用いたコンテンツの制作環境の高度化と浸透に向けた業務」、「地上テレビジョン放送番組の著作権保護に関する関係事業者等との連絡、調整、契約にかかわる業務」
木村理事
「放送サービスの高度化(4K•8K等)/地上・衛星デジタル放送にかかわる技術仕様の検討、検証、評価等」、「放送サービスの高度化にかかわる技術仕様の実用化に向けた実証および所要の期間の試行的な放送等」のうち【新4K8K衛星放送のテストセンター業務】、「BS放送のエンジニアリングストリームの衛星基幹放送業務ならびに地上テレビジョン放送のエンジニアリングサービスの運用および関係事業者等との連絡、調整、契約にかかわる業務」、「会員向けサービス」
2018年度決算報告については土屋専務理事が報告しました。
次に、永原伸監事から、川上景一監事、髙橋正尚監事とともに事業報告、会計および理事の職務の執行状況に関する監査を行ったところいずれも適正であった旨が報告され、第4回総会は終了しました。
尚、総会終了後、地上放送サービスの高度化に関する技術試験事務の進捗状況について担当者より説明が行われました。