A-PAB概要

当協会「放送サービス高度化推進協会（A-PAB）」は、放送がアナログからデジタルに移行するにあたって中核的な役割を担った「デジタル放送推進協会（Dpa）」と4K8Kなど放送の高度化を推進してきた「次世代放送推進フォーラム（NexTV-F）」が統合して2016年4月1日に発足した団体です。当協会の役割は、放送および放送に関連するサービスの高度化を推進し、関連の技術仕様の検討や検証・評価を行うこと。そしてテレビの技術基盤を用いた新たな産業、文化の創成に貢献し、公共の福祉の増進と国民生活の向上に資するというものです。

2020年春以降、新型コロナウイルスの感染拡大とともに、テレビ放送をめぐる環境も大きく変わりました。自宅で過ごす時間が増えるとともに、テレビの見方・利用の仕方も大きく変わったのです。NETFLIXやAmazonPrimeVideo、YouTubeなどの動画配信サービスが急速に浸透するとともに、テレビ受信機の高機能化なども相まって、テレビ受信機はテレビ放送だけのものではなくなりました。ただ、どのような映像サービスを利用しようとも、皆さんがご覧になっているコンテンツはテレビ番組由来のものが多いのではないでしょうか。また、災害時にテレビ放送は依然として欠かせないツールであることは間違いありません。テレビ放送は、日本に暮らす人々にとって信頼できる重要な情報源として欠かせない存在であることは、これからも変わることはありません。当協会は、これから先も放送が人々にとって価値あるものであり続けることを目指し、時代の変化に対応すべく様々な課題に取り組んでいます。例えば、コネクテッドTVの機能を活用して、放送・通信連携による利便性を高めることで、より多くのコンテンツをより多くの視聴者に届けられるよう、メタデータの共通化について検討しています。当協会はこれからも事業ビジョンである「会員企業・団体が視聴者・ユーザーにより豊かな放送文化をお届けするために、そして、関係産業・関連企業の発展を通じて高度情報化社会の中で更なる貢献をしていくため」に、さらなる進化をめざして技術検討、普及推進を図っていく所存です。

2018年12月1日に４Ｋ８Ｋ衛星放送が始まってから5年を迎えました。テレビ受信機など視聴可能機器につきましては、おおむね順調に普及しておりますが、多様化するコンテンツ・メディアサービスの中で、まだまだその存在価値を十分に発揮することができていないのではないかと感じております。当協会の行った調査によれば、残念ながら４Ｋ８Ｋ衛星放送をご覧いただいている方はそう多くはありません。そのため、当協会では、5年という節目を機に普及を加速させるため、４Ｋ８Ｋ衛星放送の良さをより多くの方々に知ってもらい視聴してもらおうと「受信機を買っていただく」「4Kボタンを押して視聴していただく」ことを目標に、会員各社、関係各所の皆様とともに業界を挙げた取り組みとして「スゴいぞ、４Ｋ８Ｋキャンペーン」をスタートさせました。４Ｋ８Ｋ衛星放送を見られる環境にあるのに視聴されていない方々、見る方法をご存じない方々にも、ぜひご覧いただけるよう、引き続き関係者の皆様のご協力をいただきながら、４Ｋ８Ｋ衛星放送の魅力や視聴方法をお伝えし、きめ細かな普及活動を行ってまいりたいと思います。

放送サービス高度化推進協会はこれからも放送文化の発展に寄与してまいります。どうぞよろしくお願いいたします。

一般社団法人放送サービス高度化推進協会
理事長
加増　良弘