一般社団法人 放送サービス高度化推進協会(A-PAB)は、7月6日(木)に「4Kボタンを押して、まだ見ぬ輝く世界へ A-PAB 記者発表会」を千代田放送会館で開催しました。
今回も、原則プレス関係者(約30名参加)に限っての開催となりました。
冒頭、主催者を代表して、A-PABの相子宏之理事長が次のようにあいさつしました。
「本日はお忙しい中、A-PAB記者発表会にお越しいただきまして誠にありがとうございます。また日頃よりA-PABの活動にご協力をいただきましてあらためて御礼申し上げます。新4K8K衛星放送開始から4年半余りになりますけれども、おかげさまで視聴可能機器台数もおよそ1,650万台を超えるくらいになっており、概ね順調に普及していると考えています。メディアの皆様、販売店の皆様をはじめ、普及にご協力いただいている関係者の皆様に御礼申し上げます。
BS4Kにつきましては、ご存知の通り総務省様におきまして新規事業者の審査が行われており、今年の夏頃には新たに3社が決定すると伺っております。メディアを取り巻く環境が大きく変化する中、4K8K衛星放送がさらに発展していくためには、引き続きより多くの方々に対応機器を買っていただくこと、そして購入された視聴者の皆様が4K8K衛星放送をご覧になることの両方が重要。そのためにはコンテンツの充実がなによりも大事ということと同時に、そのコンテンツを紹介していただいて、視聴者の皆様に知っていただくことも非常に大切になってまいります。
放送事業者の皆様は様々なコンテンツを制作、編成されております。それらを視聴者の皆様に知っていただくには、記者の皆様のご協力が必要不可欠です。
本日はスペシャルゲストとして、ドラマ「大奥」で大変話題になりました冨永愛さんをお迎えするほかに、盛沢山の内容。記者の皆様には、4K8K衛星放送、そして4K8Kコンテンツを視聴者の皆様にご紹介いただけるよう、ご支援、ご協力のほど何卒よろしくお願いいたします。」
「チコちゃんに叱られる!新4K8K衛星放送キャンペーン2」紹介
まず、昨年12月に続き、NHKの「チコちゃんに叱られる!」の人気キャラクター チコちゃんがキャンペーンのナビゲーターを務める、NHKとBS民放5社による共同制作の「新4K8K衛星放送キャンペーン特別編2」(14分)が上映されました。
ここで、BS編成担当者会議の主査で、BSフジの荒井昭博常務取締役が登壇し、今回もチコちゃんをキャンペーンキャラクターに起用した理由を以下のように説明しました。
『前回、NHKのみならずBS民放5局で放送した際に反響が大きく、やはりチコちゃんは国民的アイドルであることがわかった。この番組も老若男女に伝わるものとなっていることがお分かりいただけたと思う。今回もNHKだけでなくBS民放5局でも流れ、また、チコちゃんの登場するスポットも放送される。NHKのキャラクターが民放でも流れる。つまり民放、NHKの枠を超えて、テレビ局を挙げて4K8Kを応援していく姿勢を表しているといえる。
およそ1650万台の視聴可能機器が普及している中で、チコちゃんに登場してもらうことで、ひとりでも多くの方に4K、8Kを見ていただき、そのすばらしさをご理解いただけたらという思いで、NHKと民放ともに力を合わせて取り組んでいる。』
このあと、NHKとBS民放5社の編成担当者が壇上に上がり、それぞれの社の一押し番組の紹介と出演者のインタビューがリレー方式で紹介されました。
BS日テレは、7月25日(火)放送、寿司屋さんに密着したドキュメンタリー番組「鮨録(すしろく)」。ナレーションでご出演された大友康平さんのコメントVTRをご覧いただきました。
BS朝日は、「世界水泳福岡」を7月15日(土)からは「アーティスティックスイミング決勝」、7月23日(日)からは「競泳予選」を生放送。一押しは7月29日(土)放送の「人生、歌がある 夏休み4時間スペシャル」で、司会の五木ひろしさんからのコメントをご覧いただきました。
BS-TBSは、7月15日(土)に「4K生中継!伊勢神宮奉納花火2023」、7月19日(水)、26日(水)の2週にわたって、「美しい日本に出会う旅 松下洸平が行く!出雲」の前編・後編、そして、7月28日は「走る別荘!車中泊の旅 夏の青森2時間SP」を放送。番組出演者のロバート馬場裕之さんからのコメントをご覧いただきました。
BSテレビ東京は、7月24日放送の「ローカル線よくばり絶景旅」をご紹介。村井美樹さんが自由気ままにローカル線の旅に出る第4弾で、ゲストは演歌歌手で“撮りテツ”の徳永ゆうきさんです。そのお二人からのコメントをご覧いただきました。
BSフジは、大型ドキュメンタリー「巨大魚 春の陣」、「絶景百名山 春山スペシャル」、そして北大路欣也さん主演の大型時代劇「三屋清左衛門残実録」をはじめ、7月15日にはプロ野球「ヤクルト対巨人」を4K生中継、そして、7月26日には「ぎおん柏崎まつり海の大花火大会」を生中継いたします。番組MCの長野美郷さんからのコメントをご覧いただきました。
NHKのおすすめ番組、BS4Kでは7月8日(土)「NHK MUSIC SPECIAL ドリカム 完全版」、23日からは4K初登場となる「大奥」。BS8Kからは7月30日放送の「JJJ JO1」。JO1が各地を旅し、その土地の文化や歴史を未来につなげるシリーズで今回は姫路城を訪れます。出演者のJO1からのコメントをご覧いただきました。
そして、NHK「大奥」の紹介VTRとともに、8代将軍徳川吉宗を好演した今回のスペシャルゲストである冨永愛さんが登場。
富永さんは前日にパリから帰国したばかりというハードスケジュールの中、全く疲れを感じさせない輝く笑顔でステージに登壇。「大奥」で第8代将軍徳川吉宗を演じた感想について次のように語りました。
「最初は役作りに苦労したものの演じるうちにどんどんリアルに作り上げることが出来ました。7月23日から4Kでも再放送されますが、奥行きある映像に仕上がっているので、初めて見る方も、2回目の方も、楽しみに見ていただきたいと思います。」
また、4Kドラマ撮影については、「メイクさんも気を遣って大変そうでしたが、画面に映る側としては、毛穴まで見えてしまうので、あんまりカメラで寄らないでねという思いもありました。それでも、4K映像の素晴らしさは、奥行があってリアルですし、すぐそばで起こっている出来事のように見ることが出来るので、4Kで放送する意義があると思います。」と語りました。
この後、記者との質疑応答に移りました。
「もし歴史が動いた瞬間を4K映像で見れるとしたら?」という質問に対しては、「ペリーの黒船来航の映像を大陸側からと海側からと両方から見てみたい」と回答。
「4K8Kでのファッションショーの中継が実現したらどんな衣装が着たいか?」という質問には、「2日前にパリのオートクチュールで吉宗を演じたときの衣装よりも重い衣装を身にまとったことを振り返り、ラインウェイのライブ感や衣装の素晴らしさ、会場の雰囲気、いろんな意味での重さが伝わるといいな」と答えました。また、「私が歩いてきたランウェイのアーカイヴを4K映像で見られたらいいだろうな」と付け加えました。
「4K8Kでの撮影について俳優仲間で話し合うことはあるのか?」という質問には、「4Kだね、パックしようか」なんて話して笑わせました。さらに「『大奥』では徳川の歴史の中でも多い決断である、吉宗が蘭学を許すシーンがあり、目が凄く赤くなっています。色味や俳優の演技も4Kだからこそよりよく見えると思うので楽しんでいただきたい」と語りました。
最後に、冨永愛さんのフォトセッションが行われ、ポスターの4Kボタンを押す冨永さんの写真撮影が行われました。
次に、先進映像協会日本部会の河合隆史会長が登壇。「ルミエール・ジャパン・アワード2023」開催および4K部門・8K部門のA-PABとの共催について以下の内容を発表しました。
『先進映像協会の日本部会は、日本の先進映像の制作技術やコンテンツ表現を、教育・啓発・表彰活動を通して発展・普及させることを目的とした業界団体。ハリウッドに本部がありその支部として2011年に設立。我々の主要な活動である「ルミエール・ジャパン・アワード」は国内で制作された先進映像コンテンツを募集して優れた作品を表彰することで、先進映像コンテンツの拡大と品質向上を目指している。
今年13回目になるアワードは、3D部門、4K部門、8K部門、VR部門の4部門を対象として、今日から募集を開始。審査の結果は、11月のInter BEE 2023において実施される表彰式で発表。受賞作品は、米国で開催される「Creative Arts Lumiere Awards」へのエントリー資格が与えられ、世界中の作品と競い合うことになる。
今年は、4K部門、8K部門をA-PABさんと共催することになった。4K8Kコンテンツやサービスの高度化推進のために双方の強みやネットワークを活かし共同で運営する。』
続いて、4K部門・8K部門を共催するA-PAB広報・企画部 南里憲孝統括部長から、
以下、共催に至った経緯とトロフィーの説明がありました。
『本日、河合教授に特別にお持ちいただいたこのトロフィーは、シカゴに本拠地があるR.S.オーウェンズ・カンパニーが製作しているもので、この会社はアメリカ・アカデミー賞のオスカー像をはじめ、エミー賞やMTVビデオミュージックアウォードも手掛けている。
今回の「ルミエール・ジャパン・アワード2023」4K部門・8K部門共催については、私共A-PABも『新たな放送技術を用いたコンテンツの制作環境の高度化」「4K・8K等の技術基盤を用いた、新たな産業・文化の創成への貢献」を掲げおり、その点で、ふたつの団体は大きな意味で同じ志を持っていると感じている。
早稲田大学河合研究室がA-PABの賛助会員であることから、コラボの可能性についてご相談を重ね、先進映像協会アメリカ本国のご了解を取り付けていただいた。また、A-PAB会員社へもアワードへのエントリーについて優待もはかっていただくことで、今回の共催の運びとなった。』
このほか、会場の記者に、4Kテレビをお持ちでも4Kボタンを押したことがない方のために、「4Kボタンを押そう!」を訴求した紙ばさみやA―PABの取り組みについての資料の配布を行いました。
記者発表会は以上で終了しました。