一般社団法人 放送サービス高度化推進協会(A-PAB)は、11月29日(水)に、「スゴいぞ、4K・8Kキャンペーン発表会」をベルサール六本木のイベントホールで開催しました。
今回は、4K8K衛星放送開始から5周年ということで、後援をいただいた総務省から、小森卓郎総務大臣政務官、特別協力をいただいた日本放送協会をはじめとする4団体の代表、BS放送事業者の代表ら約100名に、プレス関係者約50名が出席する大規模な発表会となりました。
冒頭、主催者を代表して、A-PABの相子宏之理事長が次のように挨拶しました。
「本日はお忙しい中、多数ご参集いただきまして、誠にありがとうございます。
2018年12月1日、新4K8K衛星放送としてサービスを開始してからおよそ5年が経過いたしました。ご承知の通り、2020年初頭からは3年以上にわたって新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、テレワークの拡大、オンライン会議の普及など家庭でのネット環境が大きく変化し、テレビ受信機の高機能化なども相まって、放送を取り巻く環境は大きく変化いたしました。コンテンツの流通経路も多様化し、テレビ放送も伝送手段の1つになる状況かと思います。
そのような中、4K8K衛星放送は新たな高画質放送として、お陰様で対応機器も比較的 順調に推移している状況ですが、多様化するコンテンツメディアサービスの中で、まだまだ存在価値を充分に発揮できていないのではないかと感じており、そこで今回は、放送開始から5年のタイミングで、改めて4K8K衛星放送の良さを広く認識していただき、多くの方に視聴していただけるよう、まずは4K8K対応テレビを買っていただき、4K8K衛星放送を見ていただくという、この2つの目標を設定いたしました。これを実現すべく関係する皆様にいろいろとお力添えいただけるようお願いをいたしました。
現在各社の4K8K放送におきまして、スポーツ・ドラマ・紀行番組・報道など、さまざまなジャンルの番組が制作、放送されております。ネット環境の進化で多様なコンテンツサービスが普及拡大している状況ではございますが、大画面、テレビ等を中心として、超高精細の4K8K衛星放送は、付加価値のある魅力的な放送サービスの1つであると考えております。
それを広くご理解いただくべく、今回はさまざまな取組みを展開したいと考えております。本日はこうした取組につきまして、ご紹介をさせていただきます。」
次に、今回の発表会の後援をしてくださった総務省から、小森卓郎総務大臣政務官が駆け付け、以下のご挨拶をいただきました。
「2018年12月に開始された4K8K衛星放送が5周年を迎えるタイミングで、本日、「スゴいぞ、4K・8Kキャンペーン発表会」が開催されますことを心からお慶びを申し上げます。4K8K衛星放送については開始以降、それまでのハイビジョン映像を超える超高画質映像により、鮮やかで臨場感あふれる映像を通じた新しい視聴体験を提供されているところでございます。放送関係の事業者の皆様も視聴者の皆様に感動をお届けできるような4K、そして8Kの特徴を生かした番組制作に取り組んでおられることと思います。衛星放送のますますの活性化のためにも、4K8Kコンテンツのさらなる充実が図られていくことを楽しみにしております。
そのような中、今回のキャンペーンでは、NHKおよび民放の各社によりまして、4K8Kの新作番組のラインナップを充実させるとともに、新しいイメージキャラクターも登場されると伺っております。4K8K衛星放送のプロモーションを受信器メーカー、そしてまた販売店の皆様も含めて関係する業界の方々が一丸となって盛り上げていくと伺っております。このような取組を通じまして、4K8K衛星放送が国民の皆様にとってより身近になっていくことを期待しております。
総務省といたしましても、関係の事業者、団体の皆様と共に4K8K衛星放送のさらなる普及に尽力をしてまいります。その一環でございますが、総務省では「デジタル時代における放送制度のあり方に関する検討会」のもとに、「衛星放送ワーキンググループ」を設置して、明日、第1回を開催する予定でございます。このワーキンググループでは、4K放送の拡充・普及をはじめ、衛星放送のインフラの効率化、衛星放送の周波数の有効利用といった短期・中期にわたる諸課題への対応の在り方、そして衛星放送の将来像についても検討をお願いしたいと考えております。これらの取組を通じて、衛星放送が広域性、経済性、高品質性といった強みを持つメディアとして、その社会的役割を継続的に果たして行くことができるよう努めて参ります。」
さらに、今回の記者発表会の特別協力として、日本放送協会(NHK)、(一社)日本民間放送連盟、(一社)電子情報技術産業協会(JEITA)、(一社)日本ケーブルテレビ連盟の4団体の代表から、VTRで、以下のコメントをいただきました。
日本放送協会の稲葉延雄会長は「12月1日から、NHKの衛星放送が二つのチャンネルになるが、これまで以上に、高品質な番組を提供することや、8Kは、国宝などの文化的な遺産を後世に伝える取組など放送だけにとどまらない活用も進めている。
3つの衛星放送チャンネルを通じて、今後とも視聴者の皆様の期待に応えていく」
(一社)日本民間放送連盟の遠藤龍之介会長は「家電量販店で、ずらりと並ぶ大画面のテレビを見ると、私自身、その迫力に圧倒されるが、視聴者の皆様にも、ぜひ高画質で、臨場感にあふれ、豊かな色彩に富んだ4K放送をお楽しみいただきたい」
(一社)電子情報技術産業協会(JEITA)の豊嶋明AVC部会長は「若者のテレビ離れが言われて久しいが、Z世代からは、テレビが持っている高画質、大画面、リアルタイム性が重要という声も聞かれる。新たなニーズを的確にとらえ、これからも視聴者の皆様の豊かな暮らしを実現していきたい。」
(一社)日本ケーブルテレビ連盟の塩冶憲司会長は「ケーブル事業者は、4K放送を全国の2000万世帯以上にお届けしている。また、4Kに対応したセットトップボックス(STB)を約270万台設置し、放送の視聴環境の拡大に努めている。また、地元の情報を伝える4Kの専門チャンネルもある。 これからも、4K放送を身近に感じていただけるようソフト、ハードの両面から 、全国の視聴者の皆様と共に歩んでいく」とそれぞれコメントしました。
このあと、全国電機商業組合連合会 峯田季志会長、(一社)大手家電流通協会幹事社㈱ヤマダデンキ商品本部 松尾洋平事業部長のお二人が来賓として紹介されました。
次に、放送開始から5周年を機に、4K8K衛星放送のさらなる普及を目指して、今回A-PABが、新たに誕生させたキャラクター「ヨンハチさん」が初お披露目されました。
まず、ヨンハチさんのキャラクターを使った「スゴいぞ、4K・8K」の動画が上映されました。
このあと動画に登場したヨンハチさんの着ぐるみが登場。司会のフリーアナウンサー勝恵子さんとのトークで会場を沸かせました。
次に、ヨンハチさんが、全国の街のでんきやさんや家電量販店の4Kテレビコーナー等で使用されるポップやグッズの紹介をしました。
最後は、ヨンハチさん自ら、でんきやさんの店頭で使われるのぼり旗をもってアピールしました。
続いて、NHKとBS民放5局による「12月は、4K8K衛星放送 開局5周年キャンペーン」の紹介が行われました。
まず、NHKと民放の垣根を越えて6局で、放送される共同制作番組の一部が上映されました。
この後、NHKとBS民放5局の編成担当者が登壇し、実際に各局の目玉番組を出演者のコメント付きで紹介しました。
さらに、ここからは特別ゲストが登場。まず、BS朝日「人生、歌がある」にご出演中の藤あや子さんが登壇。
4K放送されているBS朝日「人生、歌がある」について藤あや子さんは、「セットも丁寧に作りこんでいて映像がとても綺麗」とコメント。4K放送については「4K放送が開始された頃は女性歌手の仲間たちの間で映りが良過ぎることを気にしていたが、映像がきれいな分、歌の世界に入っていける」とその魅力を語りました。さらに、この日、鮮やかな紫の着物をまとって登壇した藤あや子さんは「4Kだと小物や帯留めなども立体的に映るので、衣装選びも今まで以上に大変になりました。年齢的にいろいろ気になるようになりましたが、歌の世界の主人公として気持ちを入れて、しわひとつふたつ気にせず女優のように歌を演じていきたい」と熱く今後の抱負を語りました。
このあと、もう一人のゲスト、Mr.マリックさんが登場。冒頭で4K8Kの更なる発展を願ってシャンパンを使ったマジックを披露。会場を驚かせました。
BS朝日「スーパーマジック4K」に出演中のMr.マリックさんは、司会の勝さんから、4Kマジックで困ったことを聞かれ、以下のように答えました。
「最初に録った時、『上手くいった』と思って袖に帰ったら、スタッフの方が飛んできて『マリックさん、全部見えています、全部クリアに映っています』と。見えちゃいけないものが鮮明に映っていました」と苦笑いしながら振り返りました。「真っ暗の中に、黒いものを置いていても普通は見えないのですが、はっきり見えるんです。ありゃーと思って、それから4K用にマジックを作り直して」と苦労を語りました。それでも「これが良かったですね。やっぱり時代に合わせてマジックは作っていく、私たちも研究しなくてはなりませんから」と前向きにコメント。「最初は、ほぼ半分使えなかったですね」としみじみと語っていました。
さらに、ヨンハチさんが再登場して、Mr.マリックさんの超魔術をお手伝い。
4K8Kにちなんだ超魔術のサービスに会場は大変盛り上がりました。
超魔術の後、質疑応答の時間が設けられ、記者から以下の質問が、藤あや子さんとMr.マリックさんに寄せられました。
「個人的に4Kで観たい番組ジャンル」について、藤あや子さんは「私はプロ野球が大好き。4K放送で見ると推しの選手がよりはっきり見えて、球場に行くより楽しかったりします。4K放送にはまっています」とコメント。Mr.マリックさんは「旅番組が好きなので、4Kで紀行ものを観たいですね」と回答しました。
「今後のテレビに期待すること」については、藤あや子さんは「私は昔からテレビっ子でテレビが大好きなので、今後もどんどんジャンルを増やしてほしい」とコメント。Mr.マリックさんは「4K用にマジックを作り直した。時代とともに技術が進化していくが、それに合わせて進化したマジックを4K8Kでお見せしたい」と熱く語りました。
このあと、ヨンハチさんと藤あや子さん、Mr.マリックさんの3ショットでフォトセッションが行われました。
次に、 WOWOW、ショップチャンネル、QVCの4Kおすすめ番組が紹介されました。
最後に、A-PABが来年予定している4K番組のアワードについて、審査委員長の青山学院大学内山隆教授から説明が行われました。
「4K8K衛星放送開始から5年という節目にあたり、『A-PAB 4K番組アワード』を開催いたしたく、ここに宣言申し上げます。
私自身、4K・HDRのヘビーユーザーであり、「GoPro」の2.7K動画により高解像度の映像に目覚め、Log撮影により階調と色域の広いHDR映像に目覚めました。
10年前であれば、4K8Kは、特定の機材でしかできず、編集も時間のかかるものでありましたが、技術の進歩は大きく、現在はアマチュア含め広く利用されております。一方で、小さなスマホ画面が中心の生活になっている視聴者の方々の中には、なかなか4K8Kの良さをご理解いただけていない面もあります。 そこで、改めてプロの矜持を示すような素晴らしき作品の再発見を通して、それを世に示し、大画面、高精細、高階調の映像の良さを知っていただこうというものでございます。
アワードは、A-PAB会員社を対象とし、4K放送事業者は勿論、4K放送は未実施ではあるものの4K制作を行っている放送事業者や、4Kのデモンストレーション映像を制作しているメーカー各社にもご応募いただけるものとしたいと思います。春頃に応募期間を設定、その後に審査、そして初夏を迎える頃には授賞式を開催したいと思います。高精細、ハイ・フレームレート映像は、スポーツに生かしやすい特性がありますので、来年7月下旬から開催予定のパリ・オリンピックパラリンピックへと4Kの話題を継続し、4K8K映像に注目が集まるようにしていきたいと考えます。
詳細は、来年に入りましてから、改めてご報告させていただきたいと思います。会員社皆様のご参加をお待ちいたしております」
以上をもって、A-PAB「スゴいぞ、4K・8Kキャンペーン発表会」が終了しました。