2024年12月4日 A-PAB 記者発表会 開催

一般社団法人 放送サービス高度化推進協会(A-PAB)は、12月4日(火)に千代田放送会館で記者発表会を開催しました。今回も、原則としてプレス関係者(約50名参加)の取材に限っての開催となりました。

冒頭、主催者を代表して、A-PABの加増良弘理事長が次のように挨拶しました。

A-PAB 加増良弘理事長

「私共A-PABは、4K8K衛星放送を推進する事が業務の大きな柱となっています。既にお伝えの通り4K8K衛星放送の視聴可能機器台数はオリンピックなどの大きなイベントでその台数は伸び、8月末で2,000万台を無事突破しました。4年後のロサンゼルスオリンピック・パラリンピック開催の頃には4,000万台突破という大きな目標を掲げ、取り組みを開始しました。9月末には2,080万台弱となり、台数は順調に増えていると認識しています。視聴可能機器台数が増えるだけでは全く意味はなく、視聴者が増えること、そして一番大事なのはコンテンツが充実しているかどうかだと思います。

テレビ放送は歴史的に12月からお正月にかけて一番華やかで力のこもったコンテンツが登場します。BS4K放送を扱うテレビ局はここぞとばかりに4K8Kのスペシャル番組をラインナップするのがこの季節だと思います。今日の記者発表会でも4K8Kを中心とする年末年始各社による力作を発表します。『BS4K8K衛星放送で超100!!見ようよキャンペーン』では、スペシャルゲストとして上白石萌歌さんにも後ほどご登場いただきます。

テレビコンテンツ、とりわけ4K8K放送の面白さをこの時期にあらためて認識していただくのが今日の記者発表会の大きな目的です。映像の美しさ、大画面でみる迫力、何といっても圧倒的な臨場感、どれをとってもテレビコンテンツ特に4K8Kの放送コンテンツは白眉な存在だと自負しています。

来年4月にはBS4K放送に新たな仲間が参加する予定です。この後ご紹介するが、新たなBS2K放送でチャンネルを変更して再スタートされる放送局もあります。地上波に加え、2K、4K、そして8Kの衛星放送はまだまだ元気です。テレビ放送には皆様の心を揺さぶる大きなパワーがある。年末年始は是非テレビ放送、特に4K8Kのパワーをあらためてご認識いただきたいと思います」

NHK・BS民放5社「祝!2,000万台突破 12月はBS4K8K衛星放送で超100!!見ようよ!キャンペーン」発表

次のコーナーでは、昨年誕生した4K8K推進キャラクター「ヨンハチさん」が3か月ぶりにメディアの前に登場し、笑顔を振りまきました。そして、BS編成担当者会議主査で株式会社ビーエスフジ常務取締役の荒井昭博さんが今回で9回目となるキャンペーンについて、以下の通り話しました。

ヨンハチさん、3か月ぶりの登場

「おかげさまで、冒頭加増理事長がお話されたように、4K8K衛星放送の視聴可能機器台数は順調に伸びています。次の課題は4Kボタンを押して、実際に番組をご覧いただくことだと我々は考えています。ヨンハチさんの掛け声も、ハチの一刺しの「プスッ!」から、4Kボタンを押していただく「プッシュ!」へと変わって来ています。2,000万台を突破したということで、NHKおよびBS民放5社が気合を入れた番組をご用意しました。まずは各局の力作番組の映像をご覧下さい」

BS編成担当者会議主査 荒井昭博 株式会社ビーエスフジ常務取締役

ここで一旦、ヨンハチさんと荒井さんはステージから降壇。NHKおよびBS民放5社のイチオシ番組の番宣映像と出演者コメントが約10分間にわたり上映されました。

NHKおよびBS民放5社イチオシ番組番宣映像と出演者コメント上映

映像上映後、改めて壇上に戻った荒井さんは「超100!!」と題したキャンペーンの趣旨について説明しました。

「今年の夏、パリオリンピックで4Kテレビでしかご覧になれない競技を民放でも放送しました。民放の場合は、どうしても2Kと4Kがサイマル、つまり同時に放送することが多いのですが、4Kでしかご覧になれない、非サイマル放送が大変好評でした。そこで、今回のキャンペーンでは民放各局が非サイマルで10番組ご用意しました。5局で50番組、そしてNHKさんのお持ちのコンテンツも加えて100以上。4 Kテレビだけでご覧になれる、超100の番組を揃えたキャンペーンとなっています。「超100!!」には我々の気持ちも100%以上込められている、という意味も含まれています」

荒井主査のご説明後、NHK・BS民放5社「祝!2,000万台突破 12月はBS4K8K衛星放送で超100!!見ようよ!キャンペーン」紹介映像が上映され、各局のラインナップが紹介されました。

「祝!2,000万台突破 12月はBS4K8K衛星放送で超100!!見ようよ!キャンペーン」紹介映像上映

キャンペーンサイトURL https://www.4k8kbs.jp/

スペシャルゲスト上白石萌歌さん登壇

続いて、NHK BSP4Kの推し番組である「The Covers’ Fes. in 広島」から番組MCの上白石萌歌さんがスペシャルゲストとして登壇しました。NHKの人気番組「The Covers」でリリー・フランキーさんとコンビを組むMCを約2年務めている上白石さんは、これまでの感想を次のように語りました。

「楽曲のカバーは、カバーされる歌い手のかたのこれまでの生き様を垣間見ることが出来ます。また、原曲の魅力に加えて歌われるかたの素晴らしさを改めて確認出来ます。リリーさんと一緒に素晴らしいゲストの豪華カバーを一番良い席で見させていただいています。幅広い年代のアーティストが出演されている番組ですが、毎回リリーさんとのお話を本当に楽しみにしています。音楽への造詣も深く、MCとしても本当に多くのことを学ばせていただいています。セットや演出も楽曲の世界観に合わせてそれぞれ変えていますし、カバーされるアーティストの衣装も鮮明に映るので、是非4Kでも楽しんでいただきたいです」

また、俳優として4K収録に臨む際に意識していることや撮影現場での対策などについて、上白石さんは以下のように話しました。

「4Kはとても鮮明に映るので、目のちょっとした動きなどもはっきりと見えます。なので、演じる際は、嘘が無い感情を構築して表現するようにしています。メイクや髪型にも注意して、メイクさんや美術さんと話し合って何度かテストを重ねています。人間の目を超え得る世界だと思っているので、しっかり話し合って撮影しています」

上白石萌歌さんトークセッション

シンガーとしても活躍される上白石さん。アーティストとして4Kをどう捉えているかについてこう答えました。

「歌うときの世界を表現する仕草とかミリ単位で感じていただけると思うので、その辺りもしっかり意識しています。私は写真を撮るのも好きなんですが、写真は撮影する側の視点をそのまま伝えることが出来る。4Kだと私の視点をより鮮明にお伝え出来ると思うので、魅力的だなと思います」

荒井さんから「4Kテレビでどんな番組をご覧になっているか」と尋ねられた上白石さんは、自身が猫好きであることを説明した上で、NHKBSプレミアム4Kで放送中の「岩合光昭の世界ネコ歩き」を挙げました。そして、「NHKとBS民放5社のキャンペーンで気になった番組」については、BS朝日4Kで放送される「BS朝日開局25周年記念 ウェルビーイングスペシャル 上野樹里 クジラの生きる道~ニュージーランドそして南の海へ~」を挙げ、「水族館で海の生き物を見ることは出来ますが、野生の在るべき姿を見る機会はなかなか無いと思います。私も上野樹里さんのナビゲートに身を委ねて、4Kの映像美で楽しみたいと思います」と話しました。

最後に4Kに対する思いを、上白石さんはこう熱く語りました。

「4K映像の素晴らしさは、体験を超えた没入を体感出来るところだと思います。その世界に足を踏み入れて、余計なことを考えずにただその世界に浸ることが出来る。4Kで是非そんな体験をしていただきたいなと思います」

記者との質疑応答では、シンガーとして「The Covers」に二度目の出演を果たしたらどなたのどんな楽曲をカバーしたいか、という質問に対して、「井上陽水さんの『リバーサイドホテル』を歌いたいです。カラオケで歌うと好評なので、リリーさんにも聴いていただきたいです」と笑顔で答えた上白石さん。続いて、「4Kドラマで自ら監督・主演をされるとしたらどんなストーリー・役柄のドラマを作りたいですか?」と問われた上白石さんは「リリー・フランキーさんとお芝居をしてみたくて、親子役をやってみたい。親子で滝を見に行くとか、屋久杉を見に行くみたいなストーリーを4Kでやってみたいですね」と話しました。

質問に答える上白石萌歌さん

続くフォトセッションでは、一旦降壇していたヨンハチさんが急いで壇上に戻る一幕も。上白石萌歌さんは今回がヨンハチさんとは初対面でしたが、息の合った「4Kボタンをプッシュ!プッシュ!」ポーズで笑顔を見せてくれました。記者発表会の会場がとても和やかな雰囲気になりました。

上白石萌歌さんとヨンハチさんのフォトセッション

「ルミエール・ジャパン・アワード2024」講評

次のコーナーでは、先進映像協会日本部会会長であり、早稲田大学理工学術院基幹理工学部表現工学科教授の河合隆史さんが登壇し、「ルミエール・ジャパン・アワード2024」の講評を行いました。

「『ルミエール・ジャパン・アワード』は日本で制作された先進映像を表彰する取り組みで今回が14回目となります。表彰作品に授与されるトロフィーは米アカデミー賞のオスカー像も製作している R.S. Owens Company によるものです。3D、4K、8K、VRの4部門で構成されているアワードですが、4K部門と8K部門はA-PABと共催しました。厳正な審査の結果は、去る11月13日、InterBEE 2024で開催された表彰式で発表されました」

前段で先進映像協会について、そして、アワードについて触れた河合さんは4K部門と8K部門の受賞作品を紹介した後、以下のようにまとめました。

「今年はA-PABとの連携で、多くの作品が一堂に会しました。4K部門では、さきほど上白石さんもおっしゃっていた、人間の目を超えるようなメディアの特性を理解・活用した多彩な作品がみられ、表現技術として、すでに一定の水準に到達し定着しているという感想を持ちました。一方、8K部門は高度な表現技術を駆使した作品が中心でしたが、まだまだ今後の発展の可能性を期待出来ると感じました」

先進映像協会日本部会会長 河合隆史 早稲田大学理工学術院基幹理工学部表現工学科教授

BS右旋帯域4K放送 認定 三社プレゼンテーション

続くBS右旋帯域4K放送 認定 三社プレゼンテーションコーナーでは、ショップチャンネル4K、4K QVC、OCO TVの順に代表者によるご説明をいただきました。

ショップチャンネル 4K SC サテライト放送株式会社代表取締役社⻑ 佐々⽊ 良太 様

「このような機会を賜り感謝しています。SCサテライト ショップチャンネル4Kは2018年12月、左旋帯域で放送を開始しました。このたび右旋の認定を受け、来年2025年4月1日正午に右旋での放送を開始します。どうぞよろしくお願いいたします。

本日は「日本を見つけよう」という人気番組を紹介したいと思います。わたしどもはいわゆるショッピング専門局ですが、エンターテインメントとしてのショッピングを通じ、良い商品とお客様をつなぐストーリーを紡ぎ出し、多様化する日々の暮らしに心躍る瞬間をお届けするという会社の理念があります。

特に長年力を入れて取り組んでいるもののひとつが、地方の優れた特産品を全国に届けるということです。「日本を見つけよう」は、スタジオからではなく、地域地域にクルーを派遣し、2008年の沖縄を皮切りに直近では2024年10月に広島と、全29回のライブ中継を行いました。(サマリーを映像で紹介) 今後もこのような趣を凝らした企画の番組によって4K視聴の層を広げて参りたいと思います。」

SC サテライト放送株式会社 佐々⽊ 良太 代表取締役社⻑

4K QVC 株式会社QVCサテライト 放送編成本部 放送部長 髙倉 裕助 様

「1986年にQuality(クオリティ)Value(バリュー)、Convenience(コンビニエンス)の頭文字を取って、米国でQVCが誕生しました。その後、世界展開を進め、日本では2000年に法人が設立され、翌年には放送を開始しました。お買い物チャンネルに分類されていますが、その本質は商品を通じて人と人が織りなすストーリーや、映像を通じてまるでその場にいるかのようなリアルな体験を届けることを目指しています。

一方で、企業として現在責任を持って取り組むべきビジネス成長戦略として、Planet(地球)、People(人)、Products(商品)」の3つのPに基づいた行動計画を策定し、実行してきました。特に「People」の領域では、多様性を認め、公平な社会を目指しており、これを4K放送を通じて実現しようとしています。2018年12月には4K左旋帯域チャンネルでAI字幕付与を開始し、現在では最先端の技術を用いて全放送時間での100%字幕付与を達成しています。誰もがショッピングを公平に楽しめるよう、情報バリアフリー環境の整備を目指し、放送分野における情報アクセシビリティの向上や視聴覚障がい者向け放送を重要な取り組みとして進めています。

また、QVC 4Kチャンネルは左旋帯域で開局以来、100%ピュア4Kでの24時間365日の放送を継続しています。4K放送ならではのリアルさやライブ感を実現するため、視聴者だけでなく放送スタッフの育成にも注力しています。さらに、放送の未来をより豊かなものにするため、画質について社屋設備を2018年には完全IT化し、4Kが持つ魅力を最大限に引き出すための設備投資や人材育成を進めてきました。4Kコンテンツの力と技術力を活かし、人と人をつなぐ一助として地域創生にも積極的に取り組んでいます。

2024年9月には福島県浜通り地域で、そこで生まれたコミュニティや商品のストーリーを伝える取り組みを行った。地域で情熱を持って商品を作る人々や、地域のために尽力する事業者たちとともに、地域創生と共生を目指しています。この取り組みは、地域の方々が主体的に希望を持ち、社会・経済・環境をより良くしていくために、互いの強みを活かして未来を共に築き上げることを目標としています。

そして、いよいよ2025年4月1日にはBS4K右旋帯域での4K放送を開始する予定です。より多くの視聴者に、ショッピングを超えた新たな体験を届けるとともに、この機会を活かして、さらに多くの人々の未来を豊かにするため尽力していきたいと考えています」

株式会社QVCサテライト 髙倉 裕助 放送編成本部 放送部長

OCO TV OCO株式会社代表取締役社⻑ 岡本 光正 様

「記者の方の皆様には、これまで取り組みをご説明する機会をなかなか持てませんでした。

本日がOCOTVについての初めてのご説明の場となります。OCOとは「オンリー・コンテンツ・オン」の略で、これを会社の方針にしています。コンテンツに特化し、それによって視聴者に訴えよう、という意味です。

内容は、基本的にはアジアの総合エンターテインメントチャンネルということで考えております。映画・ドラマ・ドキュメンタリー・音楽・その他なんでもの「娯楽」、エンターテインメントニュースを中心とした「報道」、地元ケーブル局との連携も考えて日本の地方紹介などの「教養」や「教育」、そして、4Kで勝負するチャンネルとして4Kを活かした通信販売番組などの「その他」で編成します。アジア、ということでは、日本、近くの韓国・中国だけでなく、幅広くインドネシア、インド、中央アジア(アゼルバイジャン)などのものをご紹介したいと思っています。放送形態としては有料の部分も入れていきます。

2Kを持たない4Kチャンネルということで、「4Kボタンをプッシュ、プッシュ」が重要です。残念ながら来年4月1日の放送開始は間に合いませんが、できるだけ早く開局することが重要だと思っていますので、確定しましたら皆様にお伝えしてまいります」

OCO株式会社 岡本 光正 代表取締役社⻑

4K8K衛星放送放送事業者のプレゼンテーションに続いて、来年1月10日に新たに放送開始されるBS10の取り組み紹介が行われました。

「BS10」取り組み紹介

株式会社ジャパネットブロードキャスティング社長執行役員 佐藤祟充 様

「BSジャパネクストとして開局してから2年半が経過しましたが、来年には大幅なリニューアルを予定しています。2024年6月1日にはスターチャンネルとの友好的なM&Aを実施し、これに伴い2025年1月10日からチャンネル名をBS10(ビーエステン)に変更し、ロゴも刷新して新たなスタートを切ります。

BS10のチャンネルコンセプトは、通販を通じたクルーズ旅行の販売で日本各地の寄港地へ送客し、番組を通じて地域の活性化を図ることにあります。さらに、2024年7月にはグループ会社として旅行事業を手がける「ゆこゆこ」が加わり、日本全国の隠れた名所や温泉宿を紹介する番組も放送する予定です。2025年にはPGAツアー放送の継続が決定しており、Bリーグの試合中継やスターチャンネルとの連携による映画コンテンツなど、多様なエンタメを展開していきます。また、自社開発のアプリを活用し、視聴者との新しいつながりを生み出す企画も進行中です。

Bリーグについては、今シーズンを含め年間60試合の放送を予定しています。渡邊雄太選手には公式アンバサダーに就任してもらい、番組制作を一緒に盛り上げていく計画です。また、プロの麻雀リーグ(Mリーグ)にも参入し、こうしたスポーツコンテンツを通じてリアルな臨場感を伝える放送局を目指します。

2025年には「アタック25」が番組開始50年を迎えます。朝日放送様から引き継ぎましたが、このようなタイミングを迎えたため、スタジオセットのリニューアルやクイズ内容の刷新を行う予定です。

また、我々は通販放送局と思われがちですが、映画番組を含めエンタメコンテンツの提供を目指しています。我々は、有料と無料のハイブリッド型放送にチャレンジします。BS10では無料放送で映画番組を編成・提供しつつ、スターチャンネル加入を促進し、有料放送の加入者拡大を図る取り組みを新たに始めます。

BS10は2025年1月10日に開局します。開局日には国分太一さんらを迎え、19時から生放送を予定しています。また、「長崎スタジアムシティ」の開業に関連し、福山雅治さんやさだまさしさんのコンサートを開催しましたが、そういったコンテンツも放送予定です。これらは、自社でコンテンツを保有しているからこそ実現できる取り組みであり、確実なスタートを切る所存です。

最後に、私たちは通信販売事業で育てていただいた会社であり、これまで多くの局の皆様やA-PABの皆様のご支援・ご協力がなければ、この場に立つこともできませんでした。心より感謝を申し上げます。今後は、BS放送局としてその恩返しをしてまいりますので、来年のリニューアル後も引き続きよろしくお願い申し上げます。」

株式会社ジャパネットブロードキャスティング 佐藤祟充 社長執行役員

以上を以って、盛況のうちに記者発表会は終了しました。

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